Hanageのlog

双極性障害と診断された僕が人生を謳歌するための副産物

再スタート、16歳の僕へ

なんとか2ヶ月耐えた。躁うつが良くなってきたのかもしれない。自分では6年ぶりに再スタートしたつもりだ。

 

再スタートなんて、いいもんじゃないとわかった。スッキリした気持ちで走り出せるわけじゃない。祝ってくれる友達もいない。

 

再スタートしたからと言って必ず前に走れるわけじゃない。僕が諦めた時点でこの宣言はすぐ反故になるだろう。そう簡単に生まれ変われるわけがない。

 

ボロボロになった自分、大して能力もない空っぽの自分がそこにいて、やっと走り出しの一歩を踏み出した。それだけのことだ。

 

僕は高校の頃に大失敗をして、自信を失って、ずっと前を向けなかった。

 

落ちるところまで落ちたこともあった。歩き方や階段の登り方がわからなくなったり、奇声を出す発作が止まらなくなったり、酷い有様だった。死んだ方がマシだとずっと思っていた。

 

今は時々、この6年間を思い出して何だったんだろうと寂しくなる。たぶん病気に苦しめられなければもっといい大人になっただろう。浪人もしないし、留年もしない。

 

16歳の僕、本当にごめん。お前が思っているほど立派な大人になれなかった。それどころか大事な所で逃げ出す情けない大人になってしまった。

 

16歳の僕、お前は目標に向かって本当に努力をしている。それが眩しい。それが誇らしい。僕はお前が好きだ。

 

でも僕は弱い人間になってしまって、すぐお前と比較をしてしまうんだ。

 

勉強に行き詰ればあの頃の方が頭が良かった。一人ぼっちになればあの頃の方が友達が多かった。

 

躁うつが酷くなって薬が増える度に、あの頃の方が幸せだった、と。

 

僕には過去しか縋るものがなかったんだ。お前が望んでいた医学部に入学しても、気持ちは過去に置いてけぼりだった。

 

でもこれだけは言わせてくれ。僕は必死に努力していた。6年間も躁うつと戦っていた。これからもだ。他人からはたぶん理解されないけど何もしていないわけではないんだ。

 

躁うつと戦いながら国立の医学部に入れた。成績優秀者にも選ばれた。苦手だった英語も勉強してそれなりの資格を取った。

 

躁うつの治療と勉強の両立は本当に苦しかった。テスト前なのに1週間寝込んでしまったこともあった。それだけ不安定だった。

 

僕は必死で頑張ってたんだ。だから16歳の僕、今の僕に失望しないでくれ、嫌わないでくれ。

 

本当に駄目な大人になってしまったことは自覚してる。でも16歳の僕、失望して走るのを止めないでくれ。

 

お前が走ることを止めてしまったら、お前じゃいられなくなるんだ。僕は知っている。お前は人より速く長く走れることだけが誇りなんだから。

 

僕は6年ぶりに走り出そうと思う。たぶん遅いしすぐにバテてしまうだろう。

 

でも再スタートしたって言い切れなきゃ、一生このままだ。いつまでも躁うつを理由に動かないわけにはいかない。

 

滑稽で、評価されない走りだとしても僕は走らなきゃいけないんだ。その理由が、16歳の、子供のお前にわかるか。わからないよな。

 

走るのが好きな16歳のお前に、未来で駄目でかっこ悪くても一生懸命走る大人の僕を見せるためにだ。